ケータイ小説 野いちご

席がえするたび、誰か死ぬ

席がえ第1回目
*王子の暴走



「美雪、今日は屋上で食べない?」


望にそう誘われ、お盆を手に屋上に向かう。


普通の生徒なら許されないことも大目に見てもらえる、それが頂点の特権なのか?それなりに居心地よく感じる自分がいた。花梨とさゆりもついてくる。


屋上への扉を開けると、冷たい風が迎えてくれた。


こんな特等席があったとは。


「いい天気。たまに外で食べるのも__っ‼︎」


最後まで言い終わらないうちに、私は給食のお盆を落とした。


それでも一瞬、どういうことか分からない。


分かっているけれど、あまりのことについていけない。


望が、目に涙を溜めて私を睨んでいた。


「信じてたのに‼︎」


憎しみをぶつけられてようやく、頬をぶたれたのだと受け入れた。


そしてすぐに検討がついた。


「風見くんのことなら__」


「告白オッケーするなんて信じられない‼︎美雪、言ったよね?私とお似合いだって。それなのに、それなのに‼︎」


「ちょっと待って‼︎私は断ったわ!」


「うそ‼︎新田が風見くんから聞いたんだから!」


割って入ってきたのは、花梨だった。


新田くんは、風見くんと仲がいいのは知っている。


「それは何かの間違いよ。私には、他に好きな人が居るから」


こうでも言わないと、望は許してくれないだろう。


確かに許してはくれなかった。


「それは誰なの?」


私が答えるまで、許してくれそうにない。




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