それから数週間が過ぎ、私たちの関係はそのまま変わらず数日に一回ご飯やショッピングに行ったりするだけ。

今日も、篠山くんの行きつけの居酒屋で二人で飲んでいると


「紘稀くん、やっと会えたね。」

と言って私たちの前に現れた可愛らしい美少女。

「なんだよ、星菜。

俺たちもうおわってるだろ、現に俺、彼女いるし?」

と言って彼女から視線を外す篠山君。


「私は納得いかないの。

私たち婚約までしてたじゃない?
どうしてこんなブスと一緒にいるのよ!紘稀くん!」

「大きな声出すなよ。

お前との婚約はなくなった。
ただそれだけ。

おい、帰るぞ。」

とキレながら伝票をもって席を後にするので、私はその後をついていこうとすると


「待ちなさいよ。」

びくっ。

鈍感な私でもわかる。

これは危険だって…