3月の日曜日、私は友達の結婚式に出席する為、とあるホテルを訪れていた。

安住律華(あずみ りつか)28歳。

外資系企業の法務部に所属する普通のOL。

会社から歩いて数分のところにあるホテルは高級ホテルで、たくさんの人が出入りしていた。

豪華な挙式と披露宴が終わり、重い引き出物を抱えてホテル内を歩いていた。

そこで一人の男性に声をかけられた。

同じ引き出物を抱えていたので、おそらく結婚式に出席していた人なのだろうと、さほど警戒していなかった。

友達の結婚式はたくさんの人が出席していて、正直一人一人の顔なんて覚えていなかったけど。

ホテル内のカフェでお茶をして、ただなんとなく連絡先を交換した。