とても大きな木に囲まれてとても小さな赤い鳥居がありました。
その鳥居をちょっとしゃがんでくぐると、奥に古い小さなヤシロが見えました。
その小さなヤシロには、とても大きなおさいせん箱と大きな金色の鈴がありました。
せっかくなのでアリスはゴロンと鈴を鳴らし、パチンパチンと手を合わせてお祈りしました。
「おさいせん、持ってなくてごめんなさい。
ケータイ早く持てますように。
お願いします」
最近のアリスの願い事は決まってこれでした。
そう言って気がすむと、
「ムカデのおじいさん、いませんか?」
と言いながらアリスはヤシロをぐるりと回りました。
「ワシを呼んだかね」
その声はなんとか戦争のどうのこうのと書かれた大きな石の後ろから聞こえて来ました。