何度か音のやり取りをして気が付いた。


やっぱり相手は犯人じゃない。


犯人ならこんなまわりくどいことはしない。


話がしたいなら、直接入ってくればいいだけのことだ。


しかし、この音を鳴らしている本人がこっちの部屋に入ってくる気配もない。


ということは、相手はあたしと同じように拘束された状態かもしれないのだ。


あたしと同じ被害者がもう1人いるかもしれないということ。


あたしは覆面男の体型を思い出していた。


最初の男と次の男は明かに違った。


3度目に入って来た男は別人かどうかわからなかった。