「そんなにスマホつついて、どうしたの?」


自分の席でスマホをいじっていると、真由がそう声をかけて来た。


「別に」


そっけなく返事をする。


10人もの相手と交際しているのだから、忙しくて仕方ない。


「昨日からちょっと変だよ?」


真由があたしの前の席に座り、そう言った。


あたしはひと通メッセージを送り終えて、ホッと息を吐き出して真由を見た。


「色々あるの」


「○×金融って、調べてみたんだけど闇金じゃん」


「うん」


「お金なら沢山あるのに、どうして?」


その質問にあたしは大きく息を吸い込んで目を閉じた。