温かな日差しが降り注ぐ昼下がり、庭園のいつかお茶会を開いたその場所で、オルキスはテーブルに頬杖をついて、呼んでいないのに集まってきた人々に冷めた目を向け続けていた。


「気の利かないやつらだ」


不満が止まらないオルキスに苦笑いを浮かべながらリリアはマルセロが淹れてくれたばかりの紅茶を口へと運ぶ。

最初はオルキスとリリアのふたりだけで、紅茶とパイをお供に長閑な一時を満喫していたのだが、それに気付いたアレフが駆け寄ってきたことで、空気は一変する。

「旨そうですね! 俺も一緒に良いですか?」と返事を聞く前に空いていた椅子へとアレフが座ると、続けてやって来たセドマも「あぁ。俺にも一杯頼む」とマルセロに話しかけながら何食わぬ顔で席に腰かけた。

最後に雑草を貯め込んだ籠を手にボンダナがやってきて、「なぜわたしに声をかけぬ!」とぶつくさ言いながら、やっぱり席に着いたのだ。

オルキスは公務の合間に生まれたちょっとした隙間時間を心静かに過ごしたかったようなのだが、また最近、勉強やダンスの練習を再開したリリアにとっては、みんなの楽しげな声が飛び交うこの時間も癒しとなっている。