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「きりーつ、れーい、さよーなら」
「「「「さよーなら!!!」」」」
ぺこり、と先生に頭を下げてその体制のまま固まった。
ああこの時が来てしまったと。
さよなら、しなきゃ、と。
お昼の時に放課後伝えたいことがある旨は伝えた。
あとは、ちょっとの勇気を出すだけ。
そう、ほんの少しだけ勇気を出して、さよならっていうだけだ。
なんにも難しくない。
なんにも ───
「花乃?へたりこんでどうしたの?踏まれるよ?」
やっぱり嘘。
最高難度の技だった。
元はと言えばあんな誰が来るかわからない場所で泣いていた新くんが悪い。
そうだ、新くんにとっては偽の彼女の相手なんて誰でもよかったんだ。
たまたま資料室に入ったのが私で、たまたま私が泣いていた理由を聞いたから。