謎の関係を築き上げて早3日が経った。
この関係も折り返し地点までやって来ている。
新くんがそんなに有名人ではないからか、はたまた知らない人が多いからか、驚かれることは多くとも呼び出しとかでいじめられることなく平和に過ごせていて。
たったひとつ、大切な条件を破ってしまうことに対して私が怯え続けていることを除いては。
「かーの、」
授業中に斜め前の席からちらりと視線を合わせてきて小声で名前を呼ばれたり。
「帰ろ、早く。あと30秒で用意して」
とブリザード光線を送って来つつも、もたもたしている私を待ってくれてたり。
しかもちゃっかり送ってくれる、というなんとも彼氏の役目を果たしてくれていて。
だからこそ、
「やめたいなぁ」
「何いきなりどうしたの」
「ん、いや、こっちの話。」
気を抜くとうっかりこうやって口に出してしまうことも最近は多くなってしまっている。
おかげで音萌は最近ずっと眉間にシワがよっている。
音萌にガシッと頬を掴まれてビョーンと呼ばされて『吐きなさい!』と鬼のような形相で詰め寄られることも最近はないことはない。