「今から図書委員会を始めます。」


昼休み、図書委員は図書室に集まって当番決めをしていた。
隣に座っているはずだった茅野くんは。
今日は風邪でお休みだった。


お休みでよかった……。
茅野くんの人気は同年代にとどまらず。
上、下の学年どちらにも幅を利かせていた。
同じ委員会の女子なんて知られたら。
ひっそり生きるなんてことできなくなる。
想像しただけでぞっとする。
とりあえず、今日は休みでよかった。


くじ引きで当番を決めていく。
学年順で引いていくため、私のクラスはちょうど真ん中らへんだった。
特になりたい時間帯とかないから。
手早くくじを引いていく。


書かれた文字を見てみると、
『火曜日の放課後』
と書かれていた。


火曜日って5限で早く終わるから図書委員も早く終わるんだっけ。
くじ運良い……!
引きの良さに心の中でガッツポーズをした。


「今日休みの人には同じクラスの子がちゃんと伝えて下さい。」


その言葉にはっとする。
私、委員会の事茅野くんに伝えなきゃいけないんじゃん。


さっきまでの浮きだった心が急降下する。
ど、どうしよう。