「いい加減私を弟子にするのかしら!!」




「おまえこそいい加減あきらめろ」



町の広場の真ん中で、氷を矢のようにガンガン魔法をうつ私にまるで埃でもはらうかのように打ち消していく男。



そのきれいな中性的な顔が焦りで崩れることはない。



ほんと、イライラするかしら!!


この男にもそうだけれど。それ以上にこれくらいの魔法で馬鹿みたいに、疲れる自分にもイラつく。



昔はこうではなかった。昔は。



それをいったところで、誰も信じてはくれないだろう。



こんな子供の身体では。


むしろ昔ってなんだ、赤ん坊のころか!って笑い話のネタなりそうだ。




そう思うとますますイラついてくる。


魔法に苛立ちをのせて男に向かって放つ。


もちろんそんな魔法はあたるはずもなく、あっけなく男に砕かれる。




男の周りを舞って、光ながら落ちていく氷の小さな粒は幻想的で。




それがさらに男の魅力を引き出していた。