◆
遼くんにテストで勝つってこと、イコール
学年1位になるってこと、イコール
絶対にデートはなくなる
……ってこと、なはず、だけど。
─────文化祭明け。
この学校にテスト期間はあっても、テストに向けて勉強する人なんてゼロに近い。
そんな中、
隣の机でガリガリとノートに向かっている人がいる。
浦本くんたちが休み時間に話しかけても「あとで」なんて断って。
ときおり、禁煙キャンディーを噛み砕きながら。
「ねえ、ちょっと休憩したら……?」
私が声をかけると、一応手を止めてこちらを見てくれる。
「お前が煽ったせいでこうなってんだろ」
……煽った覚えはないんだけど。
「そんなに私とデートしたいの?」
冗談っぽく聞いてみれば
「……うん」
と、やけに素直な答えが返ってくるので対応に困った。