遼くんにテストで勝つってこと、イコール

学年1位になるってこと、イコール

絶対にデートはなくなる


……ってこと、なはず、だけど。




─────文化祭明け。


この学校にテスト期間はあっても、テストに向けて勉強する人なんてゼロに近い。


そんな中、


隣の机でガリガリとノートに向かっている人がいる。



浦本くんたちが休み時間に話しかけても「あとで」なんて断って。

ときおり、禁煙キャンディーを噛み砕きながら。




「ねえ、ちょっと休憩したら……?」


私が声をかけると、一応手を止めてこちらを見てくれる。




「お前が煽ったせいでこうなってんだろ」


……煽った覚えはないんだけど。



「そんなに私とデートしたいの?」


冗談っぽく聞いてみれば



「……うん」

と、やけに素直な答えが返ってくるので対応に困った。