目を疑った。
時刻は午後4時半をまわったところ。
場所は裏庭、のさらに奥。
校舎の壁に頭をつけて、けだるそうに立っている人影。
そこにいたのは、クラスメイトの中島くんだった。
私が中島くんだと気づいたのと、彼が私の存在に気づいたのは、ほぼ同時。
「……あ」
と、一瞬おどろいた顔をしてみせたものの、彼は顔色ひとつ変えず。
「わお、 見つかっちゃった」
なんて、へらっとした笑顔をこちらに向けた。
「あんた、たしか俺と同じクラスだよね。そして生徒会メンバー。 うわあ、厄介だ 」
すぐに返事ができなかったのは、目の前の中島くんが、私の知ってる中島くんじゃなかったから。