「ピーポーピーポー」
救急車の音が鳴り響く。
放課後。
下校していた安藤美咲は、何か激しい動悸がして教室へ駆け出した。
ーー学校付近で交通事故?
しかし。放課後に交通事故なんて、起きると考える方がおかしい。
「美咲!急げ、やばいぞ!」
いきなり、同じクラスの渡辺 直人の叫び声が聞こえた。
「翔が…翔が倒れた…」
美咲は足を止めた。まさか?嘘でしょ、、
「デタラメなこと言わないで!」
美咲は信じれなかった。大好きな相手が倒れるなんて…
「とにかく教室へ急げ!もう運ばれる、翔のこと好きなんだろ?もう見れなくなるかもだぞ!」
「え…どういうこと…」
美咲は走っていた。いや、好きという気持ちが走らせた。