ケータイ小説 野いちご

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恋した瞬間、運命に抗う強さを。

キミを探して

「明菜ちゃーん、今日もいーぃ?」
バッグを肩にかけあたしのもとへ駆け寄ってくる菜花。
「もう、しょうがないなぁ」
「やったぁ!ありがとぉ明菜ちゃん!」

「頑張ってー!拓くぅん!」
キャーキャー騒ぐ菜花。
「菜花、静かに」
放課後はいつも菜花に誘われて男バスを見に来る。
でもまぁ体育館には当然入れないけど。
外のコンクリートの所に座り、下の空いた窓から男バスを見る。
部活が始まる前に下の窓を空けるからいつでも見れる。
菜花の彼氏、千葉拓也くんは同じ1年なんだけど、5月くらいにはバスケ部に入っていた。
でも、この時間が嫌じゃなかったりする。
だって、それは。
「あっ、…先輩っ」
星夜先輩がシュートを決め、思わず声が出る。
「明菜ちゃん!」
星夜先輩に名前を呼ばれ、ドキッとしてしまう。
「良崎先輩、この子マネージャーにどう?」
ちゃんと髪セットしてくればよかった、もっとちゃんとメイクしてくればよかった、などの今更どうにもならないのはわかっているが色々考えてしまう。
「おーこの子か。じゃあちょっと中に来てもらっていいかな?」
「あ、はいっ!」
菜花は目をキラキラさせ、私も行っていい?!、と言いたげだ。
「菜花もついてきてくれる?」
菜花は、えーいいのー?!と言い、バッグを勢いよく持ち上げあたしの制服をちょこんと掴む。
あたしたちは体育館の入口にまわり、靴を脱いでそろえる。
ギギィ…。
重いドアを開け、中に足を踏み入れる。
体育館の中は、卓球部、バレー部、バスケ部が使っている。
卓球部とバスケ部は男女で分かれてるから5つの部で体育館を使っている。
ボールの音やかけ声などで結構うるさい体育館。
それは外から聞いているものよりはるかに大きく近く聞こえる。
卓球部の横を通り、バレー部の横を通り、女バスの横を通り、ステージの前を通って、やっと男バスのゾーンにたどり着いた。
「あのぉ…」
「あ、明菜ちゃん!良崎先生!」
星夜先輩があたしに気付いてくれて一安心。
「あたし、1年5組の美山明菜です」
「俺は男バス顧問の良崎公平だ。よろしく」
良崎先生は40代くらいで、なんだかたまに熱血だ。
「マネージャーがいないと結構大変でな。やってくれると助かるんだが、いいのか?」
「はい!あたしにマネージャー、やらせてください!」
「じゃあ、仕事内容は書いておくから。それを渡し次第マネージャーとして頑張ってもらう」

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