***



 ご飯を食べた後、昨日行けなかった大浴場に石田達と入りに行き、点呼の時間まで待った。



「よし、この部屋も異常なし」


 昨日同様、寝たフリをし点呼の時間を逃れる。
 陸を自分の部屋に呼ぶと言っていた橋本には”点呼終わったら部屋まで行くから”とLINEしていた。


 『どうしよう、どうしよう』と焦る二人に、「石田、昨日俺に飲ませた性欲剤まだ持ってる??」と聞いてみる。サナ頼りにしていた分、未だに何も思いつかない。


 何でも良いから何かに縋りたかった。


「え、あと1本ならあるけど………」


 バッグからゴソゴソ取り出し『陸にでも飲ませる気??』と首を傾げている石田。俺は奪うように、ドリンクの蓋を開ける。



「俺が飲む」


 勢い任せで半分まで飲み終えると、マジかよ……と、ドン引きしている石田の口に無理やり、残りが入っているビンを突っ込む。半分くらい飲ませると、嫌がる松本の口にも無理やり突っ込む。


「えーーー飲んじゃったよ!いっぱい飲んじゃったよ!!無理!俺、堀内みたいに耐えれない!!!」



「やかましい!俺の方が飲んどるわ!」



 ギャアギャアと騒ぎ出す石田と、その場に倒れこむ松本を引き連れて、橋本の部屋まで到着した。俺を呼んでから陸を呼ぶって言ってたから、まだ陸は来てないハズ。