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 石田くん達はすぐに私の名前を大声で呼びながらトイレ近くに来てくれた。



 そのおかげで『じゃあ、夜に。また連絡する』と、何事もなく陸くんから離れる事ができた。


 …………後でサナにもお礼を言わないと………



「橋本、大丈夫だった!!?」


 ギュウっと力いっぱい私を抱きしめてくる石田くん。


 松本くん、永倉さんも不安そうな顔で私を見ていた。


「うん、大丈夫。ちゃんと今夜私の部屋に来るように仕向けたから」


「良かったあああっ。俺、橋本に何かあったら……堀内から絶交される所だったーーーーー」


「おい!石田!どこまで自分中心なんだよ!橋本に失礼だろ!謝れ!!」


「ちがっ!!!そんなつもりじゃ………だって俺、堀内から嫌われたら人生終わる!!」


「だからそれが自分中心なんだって!今は橋本を心配する所だろ!!!」


 おかしくて、ついつい笑ってしまう。
 自分を貴飾らない、ウソ偽りない石田くん松本くんが面白くもあり、心底羨ましかった。