俺の自己紹介の仕方が酷すぎた為、サナからおもいっきり足を踏まれた。


 痛……ッ!!!
 だって今から話す内容はそういう事だろ。先に浮気してたって話してた方が楽じゃん。


 当の安達も、いきなりの“浮気してた”発言にどう返してイイか分からないらしく、苦笑いだけ返された。



「大丈夫、俺も浮気しちゃったから」



 安達はサナとは違う。自分の過ちを反省してるのに、絶対言いたくなかったであろう事を言わせてしまった。

 
 『言いたくない事言わせてゴメン』と安達に謝っていると、



「堀内は、私の事は“浮気してた”って暴露するクセに、アダチさんの肩は持つんだ??」



サナが口をヘの字にして、横でムクれていた。



「安達とサナは違うじゃん。安達はちゃんと反省してるじゃん」



「私もちゃんと反省してるよ」



「でも、陸を奪いたいって思ってんだろ??」



「それは堀内も一緒じゃん。堀内も美羽を奪いたいんでしょ??」

「は??どこが一緒にみえるんだよ」


 答えが見えない会話を繰り広げていると、会話を聞いていた安達が、『美羽ちゃんと陸くんはまだ別れてないの??』と、俺たちの話に入ってきた。



「…………別れてないです。私、陸から捨てられたので」



 苦しそうに、目に涙を浮かべながら安達の質問に答えるサナ。



 それでもどうしても慰める気になれない。だって、捨てられたって分かってんのに未だに陸がイイと言い張るサナが分からない。



 陸のどこがそんなにイイのか、俺には全然分からない。