「サナ、お願い。本当の事話してよ………」


「本当の事話してるよ……」



 さっきまで泣きそうにしていたサナが、逆ギレするかのように、私を睨んだ。


 もう、何も聞き出せない。………証拠を掴む事はできなかった。


 もう、これからは二人と一緒にいる事はない。


 ーーと思っていたのに、『美羽、移動教室一緒行こう』『昼、一緒食べよう』『一緒に帰ろう』事あるごとに陸くんに誘われるようになった。



 断れば『美羽は俺の彼女だろ』と、不機嫌になる陸くんにどうしたら良いかわからず、誘われるまま一緒に行動した。


 ………………変わったのは、サナが一緒にいないという事。



「あの、陸くん……サナは……」


「美羽は俺とサナの関係を、堀内と一緒になって疑ってんだろ?もう、疑われるような事はしないから」