「15年かあ…あっという間だね」

「うん…」

「大人になったな俺たちっ」

「大人はあんなにバタバタと家に入ってきたりしないのよ!」

紗耶はそう突っ込んだけど、私がインターホンを鳴らした時、紗耶も同じようにバタバタ走って来たことを思い出したら思わず笑ってしまった。

「…ありがとね。15年、支え続けてくれて」

紗耶と瀬名は私を見つめたままピタッと止まって、ふっと小さく笑う。

「照れるじゃんかーやめろよそういうの」

本当に照れているようで、モジモジしながら、私の肩をポンとつつく瀬名に笑ってしまう。

「ていうかこれからも変わらないからね。明里がお嫁に行ってもさ」

紗耶はそう言ってやさしく笑った。