そよそよと風が吹く10月。


鮮やかに咲いていたこの葉が

だんだんと色を無くし枯れ葉に変わる。


夕方の屋上は少し肌寒くなって来た。

それでも私たちは今まで通り、

屋上で話をしている。


「先輩はちゃんと授業に出てるんですか?」

ある時。
私は先輩にそう聞いた。


「なんで?」

「だっていっつも私が来ると先輩がいるんだもん。

今まで一度も私が早かったことないし」

「うん、まあけっこうサボってるしね」


そんなことをしれっと言って見せる先輩。


やっぱり、ちゃんと行ってなかったんだ……。


「単位とか大丈夫なんですか?」

「どうだろうね」


髪をかき分けて、興味なさそうに返事をする。

自分のことなのに、どこか他人事だ。


「そんなことしてたら卒業出来なくなっちゃいますよ」