【立花春side】
たったひとり。
俺の大切な幼なじみを失った。
誰だって彼女の変わりになることは出来ないから、もう2度と会えない。
「優……」
キミは今、笑っているんだろうか。
俺の側にいてくれているんだろうか。
キラキラしていた日常は真っ暗で、
俺は優のお墓の前で静かに手を合わせた。
時田優(ときたゆう)
すぐ隣に住む俺の幼なじみ。
優とは、小さい頃から何をするにも一緒だった。
『春、早くー!』
幼稚園の頃から学校が同じで、
毎日一緒に登下校。
親同士が仲がいいから
学校が休みの日も一緒にいたりして顔を合わせない日がなかった。
優は寝起きが悪い俺をいつも起こしに来てくれた。
”ほら、学校遅れちゃうよ”