高校オリエンテーションに、行った日。
突然降り始めた雨。
「良かった~傘持ってきといて」
一応の為持って来た折りたたみ傘2本。
「紗菜!いれてー」
「いいよ」
「ありがとう~紗菜っていっつも準備いいよねー」
「そうかな?」
「ねぇ、あれ何?」
「あれ?」
友達の朱里が、言った方向を見ると、黒い服を来た男の子が座り込んでいた。
「なんか、怖くない?」
「あの子大丈夫かな・・・」
「手から血だしてるよ・・・あっ!あの子!ヤンキーで有名な大山大河様じゃない?」
「誰それ・・・」
「知らないの!?近づいてきた人は皆ぼこぼこにするって噂だよ」
「ふーん、でも、この雨の中傘なしは辛いよ」
「しかたないよ、誰も近寄れないんだから」
「私行ってくる」
「え?紗菜?やめときなよ」
「ほっておけないもん」
「ちょ!紗菜!!」
朱里が、私を止めるのも気にせずに私は大山くんのもとに走って行った。
「ねぇ、大丈夫?」
「・・・誰?」
「私は紗菜。手どうしたの?」
「ああ、擦りむいただけ・・・」
「絆創膏あるけど、使う?」
「・・・」
大山くんは無言になった。私は勝手に絆創膏を貼った。
「いっ・・」
「ごめん、痛かった?」