鬼生徒会長こと、五十嵐律樹とのスパルタ生活にもようやく慣れ始めた5月中旬。


私に新たなる試練が立ちはだかろうとしていた────。



「ちょ、ちょっと……今、なんて言った?」


「だから、中間テストまでの間、生徒会がお前の監視役を務めることになったって言ったんだ」


「な……っ」



なんだそりゃーーーーーーっっ!?!?


反射的に立ち上がると、ダイニングテーブルの上のお味噌汁が波打つ。


今日の夕飯は会長特製、生姜焼き定食。


あまりの美味しさに、ご飯3杯いけちゃいそう〜!だなんて、呑気なことを考えてる場合じゃなかった。


何それ!?


何でそんなことになってるの!?


何でそこで生徒会が出てくるの!?


口をパクパクさせて、もう何から聞けばいいのかわからなくなっていれば、黙々と食べ続けていた会長の箸が止まった。



「何だ。その物言いたそうな顔は」


「だっ……だって、何で……」


「何で?」



ひっ!!


会長の目がギラリと光る。


鬼生徒会長モード突入だ。



「何でもヘッタクレもあるか。このバカタレ。聞いたぞ?お前、一年の時散々な成績だったそうじゃないか。何とかして進級させられたはいいものの、さすがに三年への進級はそうはいかないって、お前のクラス担任が頭を悩ませてたぞ」