「え?ディレクターですか?」



トップスタイリストになって2年目、異例の昇進だと思う。
口コミやサロントップの反響が社長の耳に入り、勤務態度や実力を見て決定したとのこと。



この店では今までにない役職だった。
仕事内容は増えるが、今まで通り店長の下で働ける。
いわゆるナンバー2ということ。



「結婚、考えてるんだろ?」と店長に言われた。
勿論、そのつもりだ。



僕が居なくても彼女は充分一人で生きていける稼ぎがある。
僕は彼女が居なくちゃ生きていけない。
だから彼女以上に稼げるようになって言おうと思ってた。



ちょうどその日は早上がりの日で、早速彼女の職場に迎えに行った。
ホワイトニングの予約を取って驚かせようとワクワク。
最初に受けるカウンセリングに彼女は慌ててやって来た。
内緒で来たからびっくりしてる。