ケータイ小説 野いちご

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初恋のうたを、キミにあげる。

雨が降り続く




窓を叩く雨音が聞こえてくる。

季節はあっという間に梅雨を迎え、私と森井くんは三回目の放送を終えたところだった。


ナツとしての活動は以前よりも控えているけれど、時折歌うだけの生放送を配信している。

話し声を聞かれてしまったら気づかれてしまうかもしれないので、できるだけ話さずにひたすら歌う。


歌い終えるとリスナーからメッセージが送られてくる。

……森井くんも聞いてくれているのかな。そう思うと緊張で強張ってしまう。


「ありがとうございました! それではまた次回お会いできたら嬉しいです」


放送が終わり、最近アップされた曲を確認していく。


音箱には、歌う人と自分で曲を作って動画を載せている人がいる。

載せられた曲の中から、歌いたい曲を見つけて放送などで歌わせてもらうのだ。




ふと目に留まったのは、<遅咲きの想い>という曲。


再生ボタンをクリックすると、柔らかで可愛らしい音色が流れ出す。







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