ケータイ小説 野いちご

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あの花のように…

最終章 真実と…

お母さんの手紙を読んで、少しお母さんの事が分かった。でもまだ1番知りたい事はお父さんから聞けてない…。

ー ピーンポーン ー

「はーい!」

「よう…。」

「弘樹!もしかして紗菜から?」

「ああ。おじさん…平気なのか?」

沈んでる弘樹。

「うん…。今のところ落ちついてるよ?あれ?紗菜から聞いてないの?」

「いや…聞いてたけどさ。俺だけあとから知ったから。」

「そっか。ごめんね…弘樹にも教えようと思ったんだけどパニックになっちゃって…。」

「ああ。分かってるよ。今日も病院行くのか?」

「うん。」

「そうか。…もし良かったら俺も…」

「うん。お見舞いに来てくれる?お父さんもきっと喜ぶと思うし。」

「ありがとう。」

こうして弘樹も一緒に病院へ向かいました。

「お父さんー?あれ?変だな…。いつもならベットで横になってるのに…。」

「あっ、麻鈴ちゃん。」

「あ、紗菜のお母さん。」

「お父さんなら、ちょっと急な検査が入っちゃってちょっと前に病室を出たの。」

「えっ!?急な検査って何ですか?どこか悪くなったんですか?」

「お父さんが心配かけるから後で自分で言うって言われてるの。」

「そうなんです…検査ってどれくらいかかるんですか?」

「そんなに長くないわ。もうすぐ帰って来ると思うけど…。」

「まーちゃん…。弘樹君も…。」

「お父さんっ!どうしたの?検査って?」

「ごめんね…心配させて…。実は昨日目が覚めた時は体調が良かったし、何の問題も無かったんだけど夜になってからいきなり息切れが激しくなってね。念のためで検査しようって話になったんだ。」

「そうなの…?それで結果は?」

「うん…退院は少し伸ばすって…。」

「な、なんで?」

「まだ完璧に治った訳じゃないから次いつおかしくなるかわからない状態だから、様子見ようって。」

「…そっか。」

「…でもあの話は今からするよ。」

「えっ、で、でも…。」

「大丈夫。弘樹君はもう…ね?」

「…?」

「とりあえずベットに行かせてね…?」

「う、うん…。」

「ふぅ…。良しじゃあ少し長くなるけどよく聞いてね?覚悟は良い?お母さんからの手紙も読んだかい?」

「う、うん。」

「良しじゃあ話すよ。」

お父さんは静かにしっかりとした口調で話し始めました…。

ーあれはまず、お父さん達が出会った頃からはじまる話かな。ー

お父さんは、昔はお花屋さんを経営していて、

常連さんもいっぱい居たんだ。そのうちの1人がお母さん。仕事帰りや、仕事行く前に店に来てくれた…お母さんは他の人とは違って、毎日のように来ては見るだけで何も買わなかった。最初はお父さんも変なお客さんだなって思ったから思い切って声をかけてみたんだ…。

そしたら、お母さんは「ただ見てる訳じゃないのよ…?花にはね?色んな顔があるの…私はその日によって変わる花の顔を楽しみにきてるの。」って言ったんだ。

次の日からお花を並べる時に良く見るようにしたら、何となくわかるような気がしてね…。そこから意気投合して、付き合うになったんだ。そこから2年くらい立ってからから結婚したんだ。

それから1年後に、麻鈴が生まれてね…。すごく嬉しかったな。

でも…麻鈴が2歳になった時に事件が起きたんだ…。お母さんが買い物に麻鈴を連れて行って、少し目を離した隙に…麻鈴が1人で道路に出たんだ。それに気づいたお母さんは車にひかれそうな麻鈴をかばって…事故にあったんだ。

幸いその時は大事には至らなかったけど、一応頭とか身体を強く打ったからしばらく入院してたんだ。でも異常は見られなくて…無事に退院したんだ。

でもそれから1年後…お母さんが毎朝頭痛に悩まされるようになってね。初めは薬を飲めば治ったんだけど。

でもいつしかそれも効かないほどに痛むようになって…

病院に行ったら事故の衝撃が、後遺症となって出てるってお医者さんには言われて、入院しながら懸命に治療してくれては居たんだけど…1ヶ月くらい立ってからかな…。

容態が急変してそのまま…ね。でもね…?お母さんは何度か先生に許可をもらって家に帰ってずっと麻鈴のそばに居たんだ…。その頃くらいかな散歩で花畑を見つけて麻鈴を家に帰って来た時は必ずそのへ連れて行ってた。


あの誕生日の手紙もきっと入院してる最中に書いたものだよ…。きっとお母さんには自分の事が分かってたんだね…。

お母さんは言ってた…大きくなって事実を話す時、麻鈴が絶対に、自分のせいだって思わ無いようにして欲しいって。麻鈴は小さくて、お母さんの不注意だから…ってね。

お父さんは途中涙を流し、言葉を詰まらせながら…少しずつ話してくれた…。

「この話が全部だよ…。」

「ううっ…。」

「ご、ごめんね…?もっと早くに話していれば…。後、もう1つあってね?この話を弘樹くんは…もう知ってるんだ。」

「ううっ。え…?」

「弘樹君が、小学校6年生の頃かな。突然家に来て、なんで麻鈴にはお母さんは居ないのかって聞いてきたんだ…。最初は話すつもりは無かったんだけど…弘樹君が麻鈴学校帰りとかに、お母さんと楽しそうに歩いている小さな子や、同い年の子達を見るといつも悲しそうに見てるって教えてくれてね。」

お父さんが声を震わせて言った。

「その他にも麻鈴が普段お母さんについて話してる事とかも全部教えてくれて、弘樹君はお父さんの知らない麻鈴の事をよく知ってて、麻鈴の事をよく見ててれているんだな。って思った…。だからお父さんは弘樹君に麻鈴をよろしくと頼んだ。そしたら即答ではいっ!って答えてくれたんだ。その時の弘樹君の目を見たら、この子になら話してもいいかな…。幼馴染みとしていつもそばにいてくれたし。もちろん紗菜ちゃんも…でも女の子には少し辛い話だからね…。弘樹君は麻鈴の顔を見る度に泣きたくないから気持ちを整理する時間を下さい。って頼まれたから了解した。」

「も、もしかして…中学の頃に弘樹に会えなかったのって…。」

「ああ。俺が話を聞いた後だからな…。」

「でも…ね?麻鈴が知らない所で毎日家に寄ってくれて様子をみにきてくれてたんだ。紗菜ちゃんにもいずれ話すつもりだったけど…もう必要ないかな…。」

「えっ…?」

私が後ろを見ると花束を抱え目にいっぱい涙を浮かべた紗菜ちゃんがいた。

「ご、ごめんなさい立ち聞きするつもりは無かったの…。」

「良いんだよ。2人とも麻鈴をこれからも頼んでいいかい?」

はいっ!と2人は同時に答えた。その後3人でお父さんとたくさん話した。

「さっ。暗くなるから…そろそろ帰りなさい。」

「お父さん…本当に平気?」

「大丈夫だから心配しないで…?」

私は今もこの時に帰ってなかったら…と考えてしまいます。

「2人とも今日はありがとう。2人がそばにいてくれたから、お母さんの話聞いても1人で暗く考えなくて良かった…。」

2人は微笑みながら私の話を聞いてくれた。

「じゃあゆっくり休みなよ?なんかあったら連絡して?」

「すぐ呼べよ?」

「ありがとう。じゃあ。」


私はその日疲れたのかいつもより早く眠りにつけた。
でも夜中…1本の電話が入った…。

「え…お父さんが…?」

私は思わず電話を落とし、裸足て家を飛び出して病院に向かった。その後どうしたかよく覚えてないけど紗菜達にはきっと紗菜のお母さんが連絡してくれたんだと思う…

「お、お父さん…?ねぇ嘘だよね?昨日あんなに元気だったじゃん…お願い目を開けてよ…。1人にしないで…。死んじゃ嫌だよ…うわぁぁぁぁー!」

お医者さんの話によると昨日の、お父さんの検査結果で心臓が弱ってきてて、もう長くなかったけど、娘には自分で伝えるから何も話さないでくれと頼まれていたそうです。そして…私達が帰ってしばらく経ってから容態が急変そのまま静かに息を引き取った…と。

「麻鈴っ!」

「さ、紗菜ぁーー!弘樹ぃー!お父さんがお父さんがぁぁぁー!」

「麻鈴…。」

それからの事はあまり覚えいません…。どうやって落ち着いたのかも…。

気がついた時には涙も止まっていて紗菜達に助けられながらお父さんのお葬式を行っていました。

そして…たった1人になってしまった家でお父さんの遺品を整理していました。

「そういえば…お父さんの部屋に入るの久しぶりだな…。ん?なんだろう?この箱」

お父さんの部屋は1階のキッチンの隣の部屋で和室。そこには部屋の雰囲気とは違う花柄の箱が置いてありました。

「中身…何かな…。」

箱を開けてみると、お母さんとのデートの写真や結婚式の写真。私が生まれた時に3人で撮った写真などがたくさん入っていました。そして…お母さんが好きだったカランコエの花の写真もたくさんありました。

私は3人で写っている写真を手に取りました。

「お父さんとお母さん…嬉しそうに笑ってるな…。うっ。うっ。」

何気なく裏返してみるとお父さんの字で

"いつか麻鈴が大きくなったら3人でまたお花屋さんをやりたい!いや、絶対にやるぞ!"

と書いてありました。

「お父さん…ずるいよ。なんで教えてくれ無かったの?」

そういえばお父さんはなんでお花屋さんを畳んだのかな。はぁ…。自分の事は何も話してくれないんだから…。

その他にも私が使っていたおもちゃや、花の図鑑などお父さんの大切な物がすべて詰まっていました…。

「お父さん…。」

ーピーンポーン!ー

「…誰かな?はーい!」

「麻鈴!私紗菜!開けてくれる?」

「紗菜…。どうしたの?」

「はい!これ。お母さんが麻鈴渡してって。」

「…!これっ!」

渡されたのは1軒の花屋さんの写真と1枚の1通の手紙でした。

そこには…。

まーちゃん。この花屋さんはお父さんが昔働いていたお母さんとの思い出の場所。いつかまたお母さんとまーちゃんと3人で開きたいって思ってた。まーちゃん。1人にしてごめんね?でもまーちゃんにはもう守ってくれる人がいる。まーちゃんはその子達と一緒に前を向いて自分の夢を持って、その夢を叶えてほしいです。この写真は幸せを呼ぶ写真です。きっとまーちゃんにも幸せをもたらしてくれます。だから泣かないで…?お父さんはお母さんとまーちゃんの未来を楽しみに見てるよ…。

ーお父さんよりー

「紗菜…ありがとう。」

「ううん。それより大丈夫?一応お母さんに頼んでお葬式の前に学校に連絡して休みにしてもらってるけど…。」

「…うんもう平気。もうすぐお父さんの物を整理し終わるから、明日には行ける。それにこの手紙にも前を向いてって書いてあるし、もう泣いてばかり居られないから。」

「そっか…。」

「紗菜…私ね?高校卒業したらお父さんの夢を叶えてあげようと思う。」

「おじさんの夢?」

「うん…お花屋さんに戻りたかったんだって。だから私がお花屋さんになってその夢を叶えてあげてたい…。」

「うん…それがいいね!外にも弘樹が心配して待ってるよ。その事伝えてあげな。」

「…うん!」

「ん…?」

「弘樹っ!あのね私…。」

「そうか…。立ち直れたみたいで安心した。」

「うん…ありがとう今まで支えてくれて…。」

「いや…俺は何も。それにこれからだって守ってやるよ。」

「…うんありがとう。」

「あれあれー?それは愛の告白なのかな?」

「ンなわけあるかっ!」

「冗談よ冗談っ!そんなの私が許さないから。それに私も麻鈴の事心配だから手伝うよ。」

「2人とも本当にありがとう。私…頑張る!」

私は2人の支えもあり、お父さんとお母さんの事から立ち直り、前を向いて歩き出しました…。いつか2人の思い出の場所をまた作る為にそしてお母さんと約束したあの花のように…なって私の夢を叶えるために!

ーendー







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