「ふわぁ・・・」

あくびをしながらなつとの集合場所へ向かう。

(昨日は自己紹介だけで終わったからクラスメイトどんな人か全員分からなかったなぁ・・・)

「えーみ!」
後からなつの声。
「なつ!おはよう!」
「おはよ!遅くなってごめんね〜。じゃ、学校いこ!」
「うん!」
「ねね、えみ。新しいクラスに好きになれそうな人、いた?」
「えっ、何いきなり。まだどんな人なのか分からないのに好きになれないよ〜」
「そーだよねー笑 隣の席の中田くん?だよねアイツは?」
「かっこいいとは思うけど・・・」
「おぉ!ついにえみに初恋が・・・?!」
「そんなんじゃないって〜」

二人で会話をしながら登校していたらすぐに着いていてクラスの前だった。
クラスに入ると新しい友達と話してる人。前からの友達と親しそうにしてる人。そして・・・中田をチラチラ見ながらこそこそはなしている女子。

(中田くんはモテそうだなぁ・・・)

そんなことを思いながら昨日と同じ席についた。しばらくはこの席のようだ。
席についてなつと話していたら隣の席の中田くんがいきなり立ち上がった。女子に話しかけられていたみたい。

「あの、俺、女子嫌いだから来ないでくんない?」

クラスが静かになった・・・

「あっ、えとそっか。ご、めんね。」

話しかけていた女子がビックリしてちょっと怒りつつも悲しそうに去っていく
その後沈黙が続いたあといきなり・・・

「中田くんすげぇね笑 おもしれー笑」

中田くんの隣の北川くんが大声で言った。
その後はみんなさっきの様な楽しそうな雰囲気で話をしていた。

(中田くんこんな人だったんだ・・・)

────昼食の時間
「ねね、えみえみ。」
「ん?なに?」
「なんかさ・・・」
言いかけていた時になつがなんだか恥ずかしそうにして一瞬間が空いた。
「なつ?どしたの?」
「えっとね、北川くんのことわたし好きになったかもしれない」
「えっ?!」
(中田くんならまだ分かる。かっこいいもん。北川くんも容姿が悪い訳では無い。でも性格もまだよくわかんないし・・・)
「さっきね、えみがトイレ行ってる間に話しかけられたんだ。そしたらねすごく優しいし面白かったの!」

なつが顔をキラキラさせて言った

「そ、そうなんだ・・・。そんなことあったんだね。応援するよ!」
なつはいい子だし可愛いし両思いになれるよ!そう勝手に思いながらお弁当を食べ終わっていた。

────昼休み
みんな校舎見たりしたいみたいで教室にはわたし、なつ、中田くん、北川くんの四人だけになった。
男子と女子分かれて話していたんだけど、いきなり北川くんが

「ねね!田中さんと藤田さん!」
話しかけてきた。

「あ、北川くん。なに?」

なつが返事をした

「僕さ、クラスメイト全員と連絡先交換しようと思ってて!二人もしてくれないかな?」
「うん!いいよ!」

なつがすぐに返事をしていた。

「ありがとう!田中さんもいい?」
「うん。いいよ」
「ありがとう! あ、翔の連絡先交換してない!」

二人が今日ずっと一緒にいるからもう交換したかと思ってた・・・てかもう名前呼びか・・・はやいな・・・

「なーなー翔!お前のも知りたいからもうこの4人で連絡先交換しねー?」
(えっ、中田くんって女子嫌いなんじゃ・・・)

と心配していたら

「あぁ。いいよ」
「じゃあきてー!」

いいんだ・・・と思いながら交換した。
その後またなつと話そうとしたらなつは北川と話していた。

(あっ、そっか。恋したんだもんね)

わたしは思いながら話し相手がいないので中田くんに思い切って

「ねぇねぇ中田くん。中田くん女子嫌いなんじゃなかったっけ?わたし達と交換するの嫌じゃないの?」
「あー、女子嫌いってのも本心だけど俺が嫌だなって思ったやつが嫌いなんだよ。」
「そっか。じゃあ中田くんは自分のこと好きな子が嫌いなの?」
「そーじゃなくて、俺が1回みて、あ、こいつ嫌だ。って思ったやつが嫌なんだ。あんたらは別に普通だから。」
「そーゆーことね。」

二人で話していたら昼休みが終わっていてあっという間に5、6限も終わっていた。眠かったからかな。

「なつー。帰ろー」
「えみ!・・・えっとね」
「どーしたの?」

なつが私の耳に近づいてきて小声で

「北川くんと今日帰れることになったんだ。今日は北川くんと帰ってもいい?」

そうゆうことか。わたしはすぐに察して

「うん!いいよ!!頑張れ」
「ありがとう!」

進展早いなぁ・・・さすがなつ。
と思いながらとぼとぼ一人で帰っていると学校から少し離れたところで後ろから頭を指でつかれた

「いたっ、誰?」

後ろをみると中田くんがたっていた。

「よぅ。」
「中田くん。帰りこっちなんだ」

こっちの方に帰る人少なくてほとんどの人が駅からとか反対方向に帰っているから少し驚いた。

「うん。今日、大地が藤田と帰るからっておいてかれたんだよ。ひでぇよな。」
「なつも北川くんと帰るって言ってたしねぇ。わたしも今日は一人で帰ってたんだ〜」
「なら同じ方向だし一緒に帰ろうぜ。」
「あっ、うん。いいよ!」

正直・・・少し驚いた。中田くんこんな気さくな人なんだ・・・


クッ


(?なんだろ・・・胸が締め付けられたみたい・・・)


「田中ってなんか好きなもんとかあんの?」
「うーん。私そういう趣味みたいなのなくて。家じゃご飯の時以外はほとんど勉強してるし・・・」
「えっ、田中って頭いいの?」
「え、そんなの自分でわかんないよ。」
「んー、じゃあ中学の時の成績ってどのくらいだったんだ?」
「成績表のを全部合計したら39とか40付近だったかなぁ・・・?」
「えっ、頭いいじゃん。」
「わたし中学の時も勉強ばっかしてたから悪くは無いと思うんだけどね・・・」
「まじかっ。定期テストの前とか勉強教えてもらおうかな。」

そんなくだらない会話を続けていると私の家についた。

「あっ、わたしここ。中田くん、またね。」
「待て田中。このマンション・・・住み?」
「うん。そーだよ?」
「俺・・・家ここ・・・」
「うぇっ?!同じマンションだったの?!」
「まじか・・・びっくりだわ・・・」
「すごい偶然だね・・・」
「おう・・・と、とりあえず帰るか。」
「そうだね!」

ビックリしながらエレベーターにのって家に帰った。
なんだかエレベーターの中は心臓がドキドキなっていて話の内容覚えてないや・・・
まぁいいか・・・今日の復習しよう。

そう思いながら机に向かった。

(あの時のクッって締め付けられたりドキドキしたりなんなんだろ・・・)

家に帰ってもずっと分からなくて、1ヶ月間考えても分からなかった。

────1ヶ月後のある日