今日は高校の入学式・・・人と話すことは苦手だけど親友もいるんだし大丈夫だよね!

親友の藤田なつには何度も助けられてきた。中学の時はいじめられてた私を助けてくれた。勉強も教えてくれた。メイクだって。いじめられてたからなにも自由じゃなかったけどなつとクラスが同じになってからなつは私が何を言われても何をされてても裏切らなかったたった1人の親友。
いじめっ子から同じ学校になるのが嫌で少し遠くの高校に進学した。もちろんなつも。高校では3年間楽しみたいな・・・!

「えーみ!おはよ!」
「なつ!おはよう!」
「クラス、えみと一緒がいいなー」
「私もなつと一緒がいい!」
そんな会話を交わしながらクラス分けの表を見に行く。
私は背が低くてあまり見えなかったんだけどなつは背が高いからすぐに見えたみたいで
「えみ!!同じクラスだったよ!1年1組!」
「ほんと!?よかった〜」
私はなつと1組の教室へ向かう。1組は階段から一番近くてそこから階段と反対の方へ2組、3組、とならんでいる。

クラスに入るとまだ人はまばらだった。ほかの人はまだクラス分け表を確認しているらしい。席は自由だったみたいで一番後ろの席へ向かった。一番後ろはクラスの人数の関係上4つだけだったのでなつが右端、私はその横に座った。
すると会話をしようとした矢先廊下から女子の声がざわざわと聞こえてきた。
「なんだろうね?」
「わかんない・・・なつ見える?」
「うーんっとねーなんかイケメンに女子が群がってるねー」
「そんなマンガみたいなことあるんだ・・・」
二人で笑いながら話していたらそのイケメンとやらが私の横の席に座っていた。
「おぉ、えみ、そのイケメンと隣の席だねー」
「そうだねー」
私はまだ恋というものをしたことがなくて素っ気なく答えた。
そんな会話を交わしているとイケメンの隣に男子が座った。
「やっぱ後ろの席人気だねー。えみが早く行こってゆったから早めに来たけどそれで正解だったかも」
「でしょー?後ろの席とれてよかったねー」
その後も二人で話していたら先生が入ってきた。
『はーい。この1組担任の森本だー。担当は数学なー。これから1年このクラスだからよろしくー』
背は低めの普通の男の先生だった。
「担任女の人がよかったなぁ・・・」
「えみ登校の時からずっと言ってるよねぇ」
笑いながらひそひそ話していた。
『はーい。じゃー新学期定番のみんな大好き自己紹介タイムだぞー。じゃあ席が前のやつからなー』
クラスに「えー」という声が響いた。自己紹介好きな人なんてそういないよ・・・
みんな模範解答みたいなありがちな自己紹介をしていった。
出身中学や好きな物など。
隣の席のイケメンが立ち上がって
「中田翔です。中学は北海道の中学。よろしく」
北海道からなんだ・・・引っ越してきたのかな?と思いつつすごくシンプルな自己紹介だなぁと思ってたらその隣の男子が自己紹介をした。
「北川大地です。中学は近くの桐野中。よろしく!」
その隣もシンプルだなぁ・・・って思ってぼーっとしてたのか驚いてたのかわかんないけど全員の自己紹介が終わっていた。
『じゃあ今日はこれで終わりなー。かいさーん』
そんな先生の声でみんなが一斉に立ち上がって周りのこと話をし始めたり帰り始めたり。
「えみっ。わたしらも帰ろ!」
「そうだね!」

二人で帰って家に着いた。明日から通常授業。
勉強頑張ろうと思いながら私の中で何かが引っかかっていた。
自分も分からなくってその日は疲れたのかな。すぐ寝ちゃってた