「ふぁぁ、良く寝たあ。今何時だろ」

え!!!9時半!?学校始まってる時間だ!!
「あ、そっか。今日から新しい学校だから10時に行くんだった。」

初めまして。早乙女財閥一人娘の早乙女華です!お母さんもお父さんは美人でイケメンなのに私は遺伝子を受け継げなかったみたい。だからおさげにメガネで学校に行ってるの。
(無自覚です)
先週までは白百合学園に通ってたんだけど、お母さんとお父さんに転校しなさいって言われて強制的に今日から西園寺学園に入学することになりました。1年生の7月って中途半端だよねー。まあがんばります!

「あと30分しかない!!急がなくちゃ!」
階段を降りて長い廊下を走って抜けるとお母さんが優雅に紅茶を飲んでた。
「お母さんおはよう!あと30分しかないよ!大変」
すると綺麗な笑顔で
「あら。はなちゃんおはよう。やっと起きたのね。わたしはこれから仕事だから。朝食を食べて支度してね。」
本当に親子なのかと何度疑ったことか。わたしとは正反対の母だ。
「ご飯は大丈夫よ。準備をしてくるね!」

いそいでバスルームへ行って体を洗い流すことにした。
上がって制服を着て簡単に髪を乾かしてきつきつに三つ編みを結う。
ふと時計を見てみると45分をまわっていた。

急いでバックを取ってこようとすると執事の熊野さんがバックを持ってニコニコして立っていた。
「おはようございます。お嬢様。間も無く出発するころかと思いお伺いしました。」
年配だけどとっても優しくておじいちゃんみたいな熊野さん。
「おはようございます!はい!そろそろ行こうと思ってました!学校までよろしくお願いします!」
熊野さんに負けないくらいの笑顔で言うと
「もちろんでございます。遅刻しないように少し急ぎましょう。」
と すこし無邪気な笑顔で言った。
「はい!」




車に乗り学校へ急ぐ。
やっぱり白百合学園が恋しいなぁなんて考えてしまう。そんなことを言ってもこの容姿のせいで嫌がらせも受けてた。でも仲のいい友達だっていた。次の学校でこんな地味なわたしと友達になってくれるひとなんているかな。
なんて考えているうちにすぐに着いたようで車が停まった。

「着きました。私もお供いたしましょうか。」やっぱり優しい熊野さん。
「大丈夫です!ありがとう!行ってきます!!」
急いで車お降りたけど目の前には入り口までながーーーい道が続いていた。それに戸惑ってあたふたしていると

「はじめまして。早乙女さんですか?」

こんな綺麗な男性なんているのかと思うほどのイケメン。サラサラの黒髪にキリッとしているけど二重で綺麗な目。すらっとしたとてもスタイルの良い男性が立ってこちらの様子を伺っていた。