私は六角高校三年、五十嵐アサミ。

テニス部マネージャーをやってます。

ここのテニス部…特にこの今の世代は、中学の時全国大会まで行った、超強者達が揃っているんだ。

「ねぇねぇ、アサミさん!今日は天気も良いことだし、海に行きたいな!」

この子は葵剣太郎。

一年生なのに、部長なんだ。

中学の時もそうだったんだって。

中学は顧問指名だったらしいけど、高校の時は『女の子にモテたいから』って、自ら立候補したんだよね。

「剣太郎、今日アサミは友達と約束があるらしいよ。」

そう言って剣太郎を止めたのが、私の同級生、サエさんこと佐伯虎次郎。

もんのスッゴくイケメンで、もんのスッゴくテニスが上手くて、だから勿論もんのスッッッゴくモテるのにも関わらず、

彼女を作らないって有名なサエさん。

『今はテニスでいっぱいいっぱいだからね』…って、得意の笑顔でよく言ってるけど…。

イケメンの考えることって、贅沢よね~。

それに満面の笑みでバッタバッタと女の子をフッていくサエさん…シュールだな~、って思うよ。


「えっ…!アサミさん、もしやデートっ?!」

明らかにガックリ来る葵くん。