10年経った今も、私は彼の事を忘れることはない。
彼がくれたすべてを忘れることはない。


彼は、私の最初で最後の恋人で。
忘れることのないかけがえのない人だ。


彼が最後に褒めてくれた笑顔を絶やさないよう。
今日も私は、彼の分も生き続ける。


きっかけは母の一言で。
最初は失恋のはけ口だった。
彼の突拍子もない一言が始まりで。
私は一生分の恋をした。


彼が私の目の前からいなくなって。
暫くは死んだように生きていた。
生きたように死んでいたのかもしれない。


それでも私に生きる意味をくれたのは。
あなただった。
私から生きる意味を奪ったのもあなただったのに。
結局あなたに助けられる。


本当、叶わない。


もらった手紙を、あの時開けて良かった。
じゃなかったらきっと、立ち直っていなかった。


最後の最後まで私の事ばかりで。
本当……本当に。


好きだよ、爽太。
愛してる、爽太。


まだあなたの所へはいけないけれど。
のんびりになるけど、待っていて。
必ず、あなたのもとへ行くから。