「おーい!彰太!先に行くなよ~!」今日も学校だ。

季節は春。桜は散り終わってしまった。けど僕の彼女は朝から元気だ。

荷物を忘れた僕の彼女「石橋 咲」は正門から叫んだ。僕はあえて無視して前進んだ。すると、彼女
は頬を丸くして猛ダッシュで追いかけてきた。正直…怖い。

「あのー。あなたの目はどうなってるの!私が見えなかったぁ!ねぇー!」

うるさい。その一言で彼女を切ると僕は前に進んだ。それでもしつこく話しかけてくるので、今度は
彼女の顔をまじまじと見て、「黙ってついてきなさい」といい放った。
 
少し言い過ぎてしまったかもしれない。そう思って後ろを向くと、そこに彼女はいなかった。走って逃げたかと思ったが、前にも彼女はいない。

そうだ。忘れていた。僕の彼女は……。