夏休みが開け、いつものように中庭へ向かうと彼女はいなかった。


ここ数日全くと言っていいほど彼女に会ってはいない。


....まるで最初から居なかったかのように。



「...なんでいないんだよ」



そう言葉を零しても誰からの返事もない。



僕はスケッチブックを手に取り、中のページをめくった。



そこには彼女の表情がたくさん描かれていた。



どれも、突然居なくなった彼女が今ここに存在しているようだった。


「そっか...僕は.....」




彼女が好きなんだ。