10月の秋の風が、私の髪をさらう。


目の前には例の幹部メンバー、プラス零羅さんが立っている。


ここは【睡蓮】の倉庫の前。

中に入らず、無造作に停めたバイクの周りに集合している私たち。


周りから見たら、派手なヤンキーがたむろしてるとしか見られないだろう。


かれこれ20分はこの状態だ。


...何してんだろ、私。




「...おっそいな、アイツ」




蓮央がイラついたように腕時計に目をやる。


圭太も呆れ顔で零羅さんと話している。


私たちが待っているのは、諒真さんだ。



私がここの仲間になってから1週間経ったある日。


諒真さんがとんでもないことを言い出した。



『さっきーとの交流遠足に行こう!!』



あなたは小学生ですか?

...とも思ったけど、その好意を無下にするわけにもいかず。


で、今日の朝9時、ここの前に集合することになったわけだけど。


肝心の諒真さんが、来ないというわけ。


歩は待ちくたびれて本格的にゲームしてるし...。


何してるんだろ、諒真さん。