それからというものの、白石さんは葉月くんの教室にいりたびるようになる。



私はその様子を気にしつつ見ていた。



けど葉月くんの表情は、嬉しそうではなく嫌そうな苛ついた顔をしている。



(一緒に居れて嬉しくないのかな?)



そういえば以前に、連絡先を一切教えていないと言っていた。



しかも、スマホのメアドも電話番号も変えてきたと言っていた。



それ時点で少々変な所がある。



嬉しそうに話している白石さんに対して葉月くんは溜息ばかり付いているのが目に見える。



特に何も起こる事なくいつしか2学期になったが、相変わらず白石さんは葉月くんにべったりで、そしてその行動も更にひどくなっていた。



授業以外ずーっと教室にいりたびって、葉月くんにべったりしている。



他の女子はどういう訳か、白石さんに近づけなくて怖がっている様子。



(なんでだろう?)



私の時は葉月くんと話していただけでさえ、視線が突き刺されたのにね。




「今日も一緒にいるね、白石さん」



玲杏ちゃんが葉月くんと白石さんに向って何気なく言う。



1学期と変わらず白石さんは葉月くんにべったりだ。



でも、葉月くん本人はとても不服そうに見える。



そんな2人の様子を篠原くんはどこか困った様子で見つめていた。



やっぱり白石さんといるの嫌なのかな。




「でも、葉月くんはあまり嬉しそうじゃないみたいだね」



「確かにそうだね」



私の言葉に弥佳ちゃんは相槌を打ってくれる。



「そうかな?」



「うん、そんな気がする」



どうしてだろう………。




この時はまだそんなふんわりとした感情でしかなかった。



白石さんに睨まれるのもあっては、葉月くんとは話す事はしないでいたから。



そもそもほぼ会話はしないのだけど。