「あ、れ?・・・ここ、どこ?」
目を開けると真っ白な天井が目に入る
「保健室。寝不足だって」
声がした方を見るとイスに座っている速水くんがいた。
「正門で倒れたんだよ」
思い出した。
速水くんの姿を見たら、安心してなんだか気が緩んだ。
「・・・昨日ねれなかったのか?」
「うん、寝ようとしても寝て忘れたいのに・・・目を瞑れば思い出すの。あの光景が。お陰で一睡もしてない」
「・・・そっか」
「勢いで言っちゃった。私は諦めようとしてたけど・・・無理だった。だから、陸から突き放して欲しかった。」
「・・・うん」
「もう振られたし、諦められるかな」
「前も言ったけど、諦めるんじゃなくて、いずれ心は諦めてくれる時は必ずあるから。無理に諦めようとしなくていい。」
「・・・うん、これからはふたりの幸せを願うから・・・」
「・・・美紅」
私は目を見開いた。
驚きが隠せなかった。
亜衣が目の前にいたから。
「速水くん、美紅とふたりにさせてもらえる?」
「・・・わかった」