放課後。


私は美術室にこもり油絵を描き続けた


今日は私の他には誰もいない。


基本的にみんなは幽霊部員だから。


だから来るとすれば2,3人。


筆を走らせる。


描くのは決まってる。


スケッチブックに描いておいた速水くんだ。


私は基本的に描きたいと思ったら、即行動。


陸のことも何度も描いてきた。


でも、今は・・・じゃないか、もう描かない。


描いてもただただ辛いだけ。


昨日見たあの晴天。


雲ひとつない綺麗な青空。


それを見た時、速水くんだと思ったように、絵にも青空を入れる。


綺麗な青空を。


何時間描いていただろうか。


気づいた頃には当たり真っ暗だった。


「うそ、今何時?」


「午後7時だよ。没頭しすぎ」


私は驚いて後ろを振り返ると速水くんがいた。


「陸上部は?」


「もう1時間前くらいには終わってた」


なら、どうして速水くんはここにいるの?


私はそう思った。


言おうとする前に速水くんが話した。


「その絵って・・・俺?」


「あ、うん。完成したの。よかったらもらってくれるかな?下手だけど・・・下手なりに頑張って描いたから・・・」


私は恥ずかしくなりながらも絵を指差しながら話す。


「・・・下手なんかじゃない。すごく綺麗に描いてくれてありがと。」


「まだ乾いてないから明日渡すね」