今日の私は、いつもより遅めに図書室へと向かった。


いつものように見慣れたドアを開けると、私より先に尾崎くんはいつもの定位置にいた。



「あ、藤咲さん! よかった、今日は来ないのかと思っちゃった」



「日直の仕事してたから、遅くなった」



「日誌やってたの?」



「うん」



頷きながら、私も定位置に着く。


ここに座ると、1日をやりきった感じが体に染みこんでくるから好きだ。


けれど息つく間もなく、今日も隣の男子のせいで疲労がたまっていくことが目に見えている。



「日直って男子と?」



「うん。出席番号が同じの、隣の席の人」



「ふーん」



……私が図書室に入って来たときのテンションと、明らかに違うんだけど。


拗ねてるのか、口尖らせてるんだけど。