藤真君に付き合って、と言われた日。


彼があたしの住むマンションまで送ってくれた。


隣に並ばず、あたしの前を歩いて、時折あたしを振り返り道を確認する。


会話は特になかったから、


あたしの事がほんとに好きなのかとか、


あたしのどこが好きなのかとか、


いつから好きなのかとか、


頭の中をぐるぐると聞きたいことがエンドレスで回っていた。



でも、この時ほんとは気づいてた。


藤真君は、あたしの事を好きじゃないんだって。


でも、この時はただただびっくりして、嬉しくて、


気づかないようにしていたんだ。


ほんとに好きになってくれたのかも、


照れて、あたしの目を見れないでいるのかも、


そう期待して。