ある日、凛がクラスメイトとお泊まり会をしたいと言い出した。
中学時代から仲の良かった佐藤さんに、それと霧島さんと関さん。

これはまずい、屋敷に3人に来られたら、俺が執事として働いているとバレてしまう。
佐藤さんは知ってるから良いとしても、あとの2人がなぁ……。

俺はとっさに嘘をついた。
凛がお泊まり会を楽しめるように、俺の存在がバレないように。

田中さんに「風邪をひいたので休ませて下さい」と言って、部屋から出ないことにした。
これで誰とも鉢合わせない。

と、思ったら……。

廊下から話し声が聞こえてきた。
あ、一方は田中さんだ。