蘭side


病院の手術室の前で俺は、涙を交え待っていた。






「蘭！お前!!!!何したか分かってんのか!?」






珍しく本気で怒っている麗の後ろにどす黒い影が見えた。







「優喜を止めろ！」






その言葉と同時に、俺の顔面に優喜の拳がめり込んだ。






「ﾂｯｯ」






親父にやられた傷もまだ治っていないし、関東をまとめる暴走族の総長ともなれば、拳の威力はやはり凄まじかった。







「止めろ！優喜、ここで騒ぎを起こせば、悠ちゃんに会えなくなりますよ。」







沙羅なんかは敬語が外れてるし、


多分みんなも無意識に彼女の事を


大切にしなければいけない存在だと認知してるんじゃないだろうか。