ケータイ小説 野いちご

好きな人に恋愛相談されました。

***

 

少し……いや、俺はかなり期待していた。

今年のバレンタインデーはもしかしたらもしかするかもって。

好きなやつに本命チョコレートをもらえるかもって。

……でも、その俺の期待はあっさり崩された。




朝、学校に着くと、前の席の高梨(たかなし)がいつものように俺の方を振り向き、挨拶をしてきた。

俺も爽やかに挨拶を返すけれど、バレンタインデーな今日も変わらず声をかけてくれたというそれだけで頭の中はさらなる期待が高まり、緩みそうになる頬を必死にこらえさせる。

つまり、高梨は俺の好きな女だ。

今日もこいつの笑顔は全力でかわいい。


「ねえねえ、堺(さかい)~」

「ん、なに」

「あたしね、今年は勇気を出して好きな人にチョコレート渡そうと思ってるんだ」

「は?」

「どのタイミングでチョコレート渡せば成功するかなぁ? 堺、アドバイスくれない?」


キラキラとした澄んだ高梨の大きな瞳が俺を捕らえる。

天然の上目遣いがものっすごくかわいいけど、期待を胸いっぱいに膨らませていた俺をどん底に落とすような高梨からの質問に、俺は心の中で眉間に思いっきりシワを寄せた。

そして、心の中で叫ぶ。

……告白に成功する方法? 知らねーよ、そんなの!

なんで俺が好きなやつの恋愛相談に乗らなきゃいけないんだよ!? 意味わからん!

 

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