「う、三月とはいえさすがに寒いね。
何か暖かいの買ってくるから、座って待ってて」


「うん。いつもありがとう」




無人駅で有名な駅のホームに到着して、ホームのベンチに座る。




翼くんは荷物を置いて飲み物を買いに行ってくれた。




一人になると思い出すのは深侑のこと。




葵ちゃん、深侑に手紙渡してくれたかな。
あれを読んで深侑はどう思っただろう。




どう思おうと私にはもう関係ない。




深侑にはもう会うつもりはないから。




それなのに深侑のことが頭から離れないなんて相当好きなんだな、深侑のこと。




でも手紙に深侑への想いを綴ったせいか、伝える前よりも少し気持ちがスッキリしてる。




自分の声で言うことはできなかったけど、これでよかったんだよね。