翌朝、起きると主に上半身の痛みが強く、思わず顔を顰めてしまう。
昨日の医師の説明通り、頭の傷よりも打ち身や打撲といった落ちた衝撃による怪我の方が痛みが強そうだ。

この痛みがしばらく続くならちょっと厳しいのでは?
そんなことを考えてるうちに、朝の回診時間なのか看護師さんが部屋に入ってきた。

「おはようございます。清水莉々花さんでお間違えないですか?」
「はい。あの起きたら上半身のあちこちが痛いんですが…」

そう言うと、看護師さんは私を見つつ確認してくる。

「どのあたりですか?」
「腰から上と右肩から肘のあたりまでです」

私の返答を聞き、ノートパソコンをカチカチいじる看護師さん。
多分、カルテを確認しているのだろう。

「どうやら、昨日右半身を下にして落下したようです。だから、そちら側が痛むんでしょうね」

と返された言葉に納得しつつ、これ体動かしたくないレベルの痛みだと少し途方暮れる。
これで、退院して自宅アパートに帰って私は生活できるだろうか?
そんなことが頭をよぎりつつ熱を測って体温計を看護師さんに返す。

「三十六度七分ですね。痛みが強いみたいですから鎮痛剤出てますので、朝ごはん食べれたら食べてから飲んで下さいね」
「分かりました。ありがとうございます」

そうして、朝食が来るまで少し待つ。
痛みが増してきてるから、早く何かしらお腹に入れて薬を飲みたい。
利き腕の右が痛むのもかなり面倒だ。

そうして、運ばれてきた朝食を利き手が使いづらいのでかなりゆっくり食べてから鎮痛剤を飲んだ。