美奈side


水族館のお土産を貰ってからというもの、不思議と悪夢も見なくなっていた。



首にかかってるネックレスに触れる


「 ふふっ 」



「 気味悪りぃな、何もねぇのに笑うな 」



そう言って怒る陸くんの首元には、お揃いの青いネックレスがあった。



相変わらず言葉はキツくて、時々私たち付き合ってたのかな……

なんて不安になる時もあるけど、このネックレスの存在があれば大丈夫だ。



「 おいおいっ。


彼女が笑顔を見せてくれることは平和な証拠なんだからいいじゃないか 」



遊びに来てくれた佐賀さんに、そうですよねと何度か頷く



「 彼女、ね………。」


何やら二人には不穏な空気が流れてる


陸くんがたまに話してくれる、
私が記憶を忘れる前までの陸くんの暴走族での体験は、佐賀さんが大抵登場している。



しかも良い人で。



尊敬してて、好きなはずなのにどうして陸くんは佐賀さんにこんな態度取るんだろ



もっと素直になれば良いのに。



「 そのことなんだが、陸。

認めるよ 」



「 別に佐賀さんに認めてもらう必要はありませんが、

どうして気が変わったのか訊いても? 」


向こうから優しく話しかけてもらってるのに、そんな態度!


もう、なんで陸くんは年上にさえも俺様になっちゃうのかね_____



いくら良い人とはいえ、いつ佐賀さんが怒り出すかと

一人冷や冷やした。