自分の見た目がいつもよりも可愛いとわかると、少しだけ勇気が湧いてくる。


「せっかくなんだら、博正をデートに誘ってみれば?」


次の休憩時間で四葉がそう声をかけてきた。


「デートなんて、無理だよ」


あたしは強く首を振ってそう言い切った。


幼馴染だから2人で出かけることに違和感はないけれど、デートとなると話は別だった。


「なんで? 普段からも2人で出かけてるんでしょ?」


楠葉がそう聞いて来た。


「そうだけど、それはデートとは違うし……」


あたしがそう言うと、2人は目を見交わせて同時に首を傾げた。


「ごめん、その差がわからない」


楠葉の意見にあたしは大きく息を吐き出した。