武人君とのデートは初めての事の連発で、行った事のない高級店を何店舗も梯子した。


その度に武人君はプレゼントを買ってくれて、帰ってきたころには大荷物になっていた。


ユキエさんが部屋まで運んでくれたプレゼントを見て大きなため息を吐き出す。


これだけで総額100万円は超えている。


1回のデートでこれほどお金を使うなんて思っていなかった。


最後に行ったレストランではフルコースが出てきて、見様見真似でどうにか食べきることができた。


とても美味しかったハズなのに、味はほとんど感じなかった。


緊張の連発だったけれど、武人君は最後まで優しかった。


正直、こんな素敵な彼氏を持ってなにが不満なのかあたしには理解できなかった。


飽きるなんてとんでもない。


「小春ちゃんは贅沢に馴れ過ぎたんだよ」


あたしはブツブツと文句を言って小春ちゃんのベッドに横になった。


小春ちゃんはデートが終ったら連絡をくれると言っていた。


それまで仮眠するつもりで、あたしはそのまま眠りについたのだった。