朝起きたら小春ちゃんになっていればいいのに。


そんな淡い期待はアッサリ裏切られ、あたしは心として目が覚めた。


見慣れた部屋にガッガリしてしまう。


制服を着て鞄を持って一階へ下りるとお味噌汁の香りがした。


小春ちゃんの家は今日もトーストとスープかもしれない。


そんな事を思いながら、なんの味もしない朝食を終えて外へ出た。


変わらない街並みを1人で学校へ向かって歩き出す。


見慣れた校舎が見えて来た時、あたしの心は更に重たくなっていた。


小春ちゃんは昨日本当に上手にやってくれたんだろうか。


もし何か変なことでもしていたらどうしよう。


そんな不安が込み上げて来た。


あたしは気を取り直すように大股で歩き出したのだった。