翌日目を覚ましたあたしは自分がどこにいるのかわからなかった。


可愛らしい部屋をグルリと見回して、ここが小春ちゃんの部屋であることに気が付いた。


フカフカのベッドはとても気持ちが良くて、夢も見ずにグッスリと眠れた。


もっとこのままでいたい。


そう思って再び目を閉じた時、ノック音が聞こえてきて仕方なく目を開けた。


「お嬢様起床の時間ですよ」


お手伝いさんのユキエさんの声だ。


昨日の内に少しはおしゃべりをしたから声でわかるようになった。


「起きてるから大丈夫だよ」


あたしはベッドの中からユキエさんにそう声をかけた。


「そうですか。朝食の準備はできていますから、お越しくださいね」


そう言うと、ユキエさんの足音が遠ざかって行く。